真冬に停電、ガスも止まったら?災害時にダメな暖房器具、役立つ暖房器具。

当然だが、暖房はエネルギー源がなければ使えない。

一番寒い時期に大地震が起きて、電気もガスも止まってしまい、暖房できなくなったら?
阪神淡路大震災、東日本大震災とも寒い時期に起きています。震災後のアンケートでも、困ったことの上位に、暖房手段を失ったことが上げられています。
特に、小さい子供やお年寄りのいるご家庭はなおさらでしょう。
地震災害は、暖房手段を失う可能性が高いことを認識し、その対策を立てておくことが必要です。
ここでは、エネルギー別にそのリスクを検討、具体的に何をどのように備えたら良いのかを考えていきます。

都市住宅に於ける暖房は、
エアコン、ファンヒーター、ストーブ、床暖房
などが主でしょう。
(コタツも忘れないで、という声が聞こえてきそうです。)
また、高層マンションなどでは、集中冷暖房システムもありますね。
エネルギー源としてはそれぞれ、
電気、都市ガス、LPガス、灯油など。
どんな暖房機器でもエネルギー源が途絶えてしまえば使用できません。
大震災時、建物の崩壊は免れても、都市ガスや電気などのライフラインが一週間以上(場合によっては一ヶ月以上)に渡って止まってしまう可能性が高いことはこれまで再三指摘してきました。

大震災時、電気・ガスなどのライフラインはどうなる?

まずはエネルギー源別に、被災時の暖房手段としてのリスクを考えたいと思います。

●電気
大地震の際は、送電網の断絶などにより停電、また、人為的に送電が停止される場合があります。停止した送電の復旧は新たな電気火災「通電火災」を引き起こすリスクが高いため、慎重になっています。
電気の復旧には最低でも1〜2日、送電網にはバックアップもあり完全に遮断されるリスクは低いそうですが、それでも1〜2週間以上に及ぶことも想定しておくべきです。事実、2018年の北海道の地震では地域によって一週間以上停電が続きました。
特に人口3千万人が集中する首都圏の場合、復旧に要す期間は、まったく予想が付きません。
なので、被災時に、電気による暖房は使えない可能性があると考えておいた方がよいでしょう。

●都市ガス
都市ガスは、大きな地震(震度5以上)の時ガスメーターの安全装置が働き、ガスの供給が停止します。安全装置の解除(ガスの供給を開始すること)は、ご自身で行えます。
ガス器具の安全を確認した上で復帰作業を行ってください。
実際の災害に合う前に、ご自宅のガスメーターを確認しておくことを強くお勧めします。
東京ガス「ガスメーターの復帰方法」
また、海に近い供給基地が津波被害を受けたり、ガス供給管損傷などで、復旧まで1ヶ月以上を要す場合があります。阪神淡路大震災のときは、電気は早く復旧したものの都市ガスの復旧はかなり遅かったようです。
なので、被災時に都市ガスによる暖房は使えない事態を想定しておくべきでしょう。

●LP(プロパン)ガス
LPガスは、大きな地震(震度5以上)の時ガスメーターの安全装置が働き、ガスの供給が停止します。安全装置の解除(ガスの供給を開始すること)は、ご自身で行えます。
ガス器具の安全を確認した上で復帰作業を行ってください。
実際の災害に合う前に、ご自宅のガスメーターを確認しておくことを強くお勧めします。
LPガス安全協会「ガスメーターの復帰方法」
都市ガスに比べLPガスは、各家庭にガスボンベが設置されているため、供給管破損などにによる供給停止のリスクが少ないと言えます。
しかし、都市ガスが引いてある住宅で、被災時のためだけにLPガスも用意しておくというのはコンロなどの器具も異なりますし、一般家庭では現時的ではありません。

●灯油
灯油を使う石油ストーブは、災害時にいちばん頼りになる暖房手段と言えます。
日頃から石油ストーブを使用しているご家庭は、常に20リットル以上の灯油が備蓄されるように備えておきましょう。と言っても、暖かくなる頃には残したくないですよね。そこが灯油の難しいところです。
日頃、石油ストーブを使用していない家庭で「被災時用に石油ストーブを用意しておこう」と考える人も多いでしょう。しかし問題は、灯油を家庭で保管するのが難しい点です。家庭用ポリタンクで1年以上保管した灯油はかなり劣化していて危険です。
長期保存できる缶入りの灯油もありますが、かなり割高(普通に買う場合の10倍位)ではあります。
そこで「災害時のために、日頃から一部屋だけは暖房を石油ストーブで行う」というのはアリかと思います。
ただし、電気も必要なファンヒータータイプは、災害用には向きません。

災害時に、役立つ or ダメな暖房手段

次に、暖房器具別に災害時の適性を考えていきます。

●エアコン
エアコンはまれにガス式のものもありますが、大半はで電気でしょう。
停電している場合使えないのは当然ですが、自家発電できる手段があったとしても消費電力が大きいため、災害時には使えない暖房手段と言えます。

●ファンヒーター
ガス式、石油式があると思いますが、ファンを回すため電気も必要です。せっかくガスや石油があっても停電していたら使えません。なので、ファンヒーターも災害時にはアテにならない暖房手段と言えます。

●ストーブ
災害時はシンプルな構造の機器が頼りになります。
電気ストーブは、自家発電手段があったとしても、消費電力が大きいためあまりお勧めできません。
原始的なガスストープ、石油ストーブなら、ガス、灯油さえあれば使用できます。(しかし灯油が備蓄に向かないことは、前に書いた通りです)
特にLPガスのお宅は、日頃はエアコンを使っていても、ガスストーブを一台備えておくとよいでしょう。
しかも、お湯を沸かしたり、煮物調理にも使えるのは、大きなメリットですね。

●コタツ
電気式ではないコタツ(豆炭など)も、一考の価値があるでしょう。

●火鉢・七輪
豆炭・木炭・練炭などは比較的長期保存が可能なので、備蓄には向いていると言えます。とにかく換気には注意です。

備えておきたいオススメ暖房器具

災害時に重宝する暖房器具、備えておきたいエネルギー源を紹介しましょう。

●石油ストーブ
東日本大震災のあと石油ストーブが見直され、たくさん売れたという話もあります。
しかし、「石油」の項目にも書いたように、災害時だけのために石油ストーブを用意しておくというのは、石油の保存性の問題が難点です。それでも災害用に石油ストーブを備えておくなら、電気が必要なファンヒーター・タイプは避けてください。

コロナ 石油ストーブ(木造17畳/コンクリート23畳)【暖房器具】CORONA ホワイト SL-6618-W

▲部屋全体を温めたいのであれば、アラジンに代表される対流型がオススメ。でもアラジンはちょっと高いですね。コロナなら同タイプでも半額程度で買えます。こちらの商品は、広いリヴィングにも対応するハイパワー、値引率も高いのでオススメです。

TOYOTOMI (トヨトミ) レインボー 対流形石油ストーブ ホワイト RB-250-W

▲上記ほどのパワーは要らないから、もうちょっとコンパクトなものを、という方にはこちらがオススメ。
デザインも洒落てますよね。トヨトミもコロナ同様暖房器具の老舗メーカーですから安心でしょう。

●カセットボンベ式ストーブ
カセットコンロに使うガスボンベをエネルギー源とする非常用ストーブがあります。ボンベ1本の燃焼時間は長くても3時間程度ですが、機器もボンベも他の非常用アイテムに比べるとリーズナブルです。
また、部屋全体を温めるようなパワーはないですが、それでも、無いと有るとでは大違い、災害時に「あってよかった」という声も多数聞かれます。
ボンベ1本で3時間しか持たないんじゃあ…という声も聞こえてきそうですが、有名メーカー製でも1本100円台で買えます。50本買っておけば一週間は使えますよね。それでも数千円ですから、災害への備えとしては安いものだと思います。
カセットコンロも災害時には重宝しますから、私は一家庭に100本くらい備蓄しても良いくらいだと思っています。保管期限は特に設定されていませんが7年位が目安です、しかし保管環境で大きく変わります。直射光が当たらない、温度差があまりない、雨が当たるのは論外で乾燥した場所を心がけてください。

この分野に実績のあるイワタニ他数社から発売されていて、ハイパワータイプ、ファン付きタイプもあります。
イワタニ カセットガスストーブ ポータブルタイプ マイ暖 CB-CGS-PTB

▲持ち運びも便利なこのタイプが売れているようです。不完全燃焼防止装置・立消え安全装置・転倒時消火装置・圧力感知安全装置と4つの安全機能が備えられているのも安心ですね。
ただし、部屋全体を温めるようなものではありません。

イワタニ カセットガスストーブ ハイパワータイプ デカ暖 暖房機 CB-STV-DKD ウォームホワイト

▲もうちょっとハイパワータイプが欲しいという方にはこちら。これなら、6帖間くらいでしたら、そこそこ温まる(ユーザー評価)ようです。ただし、その分ガスは消費しますので、ボンベ1本で2時間程度のようです。

センゴク・アラジン ガスストーブ レッド SAGBF01-R

▲このタイプには、何とこんな製品もあるんですよ。対流型の定番、アラジン・ブルーフレームを模したデザインがかわいいですね。燃焼時間はカセット1本で1時間40分~4時間20分とのこと。当然火加減で変わるのでしょう。ユーザーによると、6帖間くらいの暖房にはそれなりに有効とのことです。
高さ39センチとコンパクト、重量は意外にあり5.7キロです。
天板上で、お湯を沸かす・何かを茹でることが可能なのも災害時には重宝でしょう。
ただ、災害用備品としては、値段はちょっと高いですね。

●豆炭コタツ
一般的にコタツといえば電気ですが、キャンプ用に豆炭コタツもあります。災害時にコタツというのはあまりピンときませんが、実は非常時のお役立ちアイテムとしてお勧めの一品です。特にお年寄りのいらっしゃる家庭では重宝するでしょう。
豆炭は比較的安価で長期保存できますし、ストーブに比べ余震等での火災リスクが低い点でも、優れた防災用品と言えます。
【豆炭こたつ】 十全マメタンこたつ 90C(87cm角) (天板別売り)

●火鉢、七輪、炭火コンロ
練炭や木炭をエネルギー源とする火鉢、七輪、炭火コンロは、暖房と調理にも使え、非常用として一考の価値があると思います。
しかし、現代の住宅は気密性が高く、室内での使用は非常に危険です。
なので、それらをやむなく室内で使用する場合は、必ず2ヶ所以上の換気口(窓を15センチ以上開ける)を確保し、絶対に火を着けたまま寝ないこと。
通気口を通じて一酸化炭素が階下に流れて、下の階の住人が死亡する事故もありました。二次災害には、くれぐれもご注意ください。
また、裸火ですので、余震にもご注意ください。

薪ストーブ 木炭コンロ 日本製 田中文金属 タブ 缶コンロ バーベキュー 災害

▲災害用にはこれがオススメです。直径約20センチと手頃なサイズ。木炭・練炭・豆炭・薪(廃材)・固形燃料・枯れ枝・落ち葉など、色んなものが燃料として使えます。災害時の暖房用はもちろん、バーベキュー、煮込み料理など、これ1台でマルチな活躍が期待できますね。
特に練炭や豆炭は長時間安定して燃焼するので、暖房にぴったりです。価格がお手頃なのも嬉しいですね。
ただ、あくまで屋外用なので、やむを得ず屋内で使う場合は窓は開けっ放しにするなど、くれぐれもご注意ください。燃料によっては当然煙も出ます。

●ヒーターアタッチメント
こんな面白いものもあります。カセットコンロが災害時の必需品であるって話を他のページで繰り返していますが、その調理用カセットコンロの上に載せて暖房器具に転用できるという便利グッズ。コンパクトで価格も手頃。
ただし、専用の暖房器具のような期待は禁物です。それと、長時間連続使用は避けた方がいいでしょう。ボンベが加熱する可能性がありますので、様子見つつですね。

GoodsLand 【 冬の寒さを軽減!! 】 ヒーター アタッチメント 簡易 ストーブ 

●発電機
エンジン式の発電機は、ガス、ガソリンなどを燃料とするタイプがあります。
エンジン式は、家庭用だとせいぜい5アンペアくらいですので、テレビや照明には使えますが暖房器具には厳しいでしょう。
他の用途や、小型の電気ストーブくらいなら使えないこともないので、もし非常用に発電機の購入を考えているのであれば、ガスボンベ式をお勧めします。ガスボンベはどこでも手軽に安価に購入でき、保存しやすいからです。
ガソリン式の発電機を災害用に用意する場合は、保管用缶詰ガソリンも忘れずに備蓄します。通常のガソリンを専用タンクに保管しても保管期限は3ヶ月。保管用缶詰ガソリンは3年以上保管できます。但しカセットガスボンベよりは、かなり割高です。
安価な海外製発電機の中には、粗悪品も多いようです。粗悪な発電機はそこから電力供給を受ける電気製品を壊してしまう可能性があるので、注意が必要です。

ソーラー式発電機も同様で、家庭用の非常用のものはせいぜい3アンペア程度ですので、暖房にはほとんど役立ちません。

インバーター発電機 エネポ カセットボンベガス式 AZHE-1K (1台入り) /8-4927-01

▲ホンダ製なので高いですが、安価な輸入品には粗悪品もあるようなので注意。
カセットボンベ2本で、1〜2時間の発電が可能。出力はAC100V、50/60Hz両方で使え、900VA(インバーター搭載)。騒音値は79~84dBと発電機としては比較的静かな部類ですが、それなりに大きいですね。

複数の暖房手段で、リスクを分散しよう

暖房手段が電気しかない、ガスしかない、そんなご家庭は多いかと思います。
災害時に、どちらかは使える可能性もあります。なので、暖房手段を複数確保しておくことも、暖房手段を失うリスク軽減となります。
つまり、電気暖房しか無い家ではガスや石油ストーブを、ガス暖房しか無い家では電気や石油ストーブも準備しておこうという話です。

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