重要なのは「非常食の備蓄」より「日常食のローリングストック(回転備蓄)」

「非常食」と「日常食」の違いを理解しよう

非常食とは、非常用に特化した加工食品。 対する日常食は、平常時にいつも食べている食品全般
災害時用に備える食品というと、すぐに非常食をイメージするかも知れませんが、ちょっと待ってください。
首都圏での地震災害発生時には避難民の何倍もの在宅被災者(住まいの倒壊を免れ、そこに住むことが可能な人のこと)が発生すると見られています。
つまり都市生活者のリスクとして、避難民になるより在宅被災者になる可能性の方がはるかに高いのです。

在宅被災したときの生活を想像してみてください。
とりあえず、そこに住めるものの、電気・ガス・水道の全て、またはどれかが使えない可能性が高いと思われます。
そんな状態であっても、カセットコンロと飲料水などの備えさえあれば、日常に近い食事は可能ですよね。何も乾パンやアルファ米を食べる必要はないわけです。
ゆえに、在宅被災で必要なのは、非常食より日常食、それと適切な備えです。

でも、日常食だと長期保存できないのでは?
そこで登場するのが、ローリングストック(回転備蓄)という考え方です。
これについては、別項で説明します。

そもそも「非常食」とはどういうものか

非常食というと、何を思い浮かべますか。中高年の方だと「乾パン」でしょうか?  でも、乾パンってそれほど美味しいものではありませんよね。ってゆうか、そもそも若い方は知らないですよね。
自治体などが備蓄する非常食も、かつては乾パンが定番でしたが、昨今は「非常食だって美味しくないと!」という考えが浸透してきたからか、リッツなどのクラッカー、アルファ米(乾燥米飯)が多く見られるようになりました。
家庭でも、そうした「非常食」を備蓄されている方も多いのではないでしょうか。防災用品として売られている「非常食」も、そのようなモノが多いですよね。

代表的な非常食セットの例。こうしたものが防災用品店などでよく売られていますね。保存期間が長く、調理せずすぐに食べられるという点で、このような非常食はとても有効です。しかし、在宅被災で火が使える場合は、もっと日常的に食べている食材で大丈夫なのです。

非常食として商品化されているものは、長期保存できる、加熱せず食べられる食器不要など、それなりに長所があります。
自治体や企業などが長期間保存する場合や、非常用持ち出し袋に入れておく場合は、非常食が良いでしょう。
でも、一般家庭においても、そのような非常食の備蓄が最善でしょうか。
非常食ならではの利点も、日常食の調理の工夫次第で何とかなるものが多いのです。
それに、非常食は日常食に比べかなり割高です。家族全員分を1〜2週間分備蓄したら、かなりの金額になるばかりか、保管場所も必要です。
さらに5年近くになったとき、それらを無駄なく消費するのも一苦労です。
もちろん、非常食は不要、というつもりはありません。持ち出し袋他、ある程度はあった方がいいでしょう。

日常食の備蓄の方が重要であるという、その訳

被災状況イメージの図をご覧ください。
重度の被害地域(A)、つまり被災の中心地は倒壊などの大きな被害が見込まれますが、周囲の地域(B・C)もそれなりに被害が予想されます。

軽度の被害地域(B)被害の無い地域(C)では、そのまま自宅に住み続ける(被災しても自宅に住み続けることができるケースを「在宅被災者」と呼びます)ことができますが、いつものように食料・食材を調達できる状況にはないでしょう。

自分の住居は無事だったとしても、道路が寸断すれば流通は滞るし、商店が被災したら営業できません。なので、いつものように食材が手に入るという状況は一変します。
食品スーパーは棚の崩壊などの被害を受けて営業できない状態になっているかも知れませんし、営業できていたとしても、皆が食品の確保に走りますからすぐに店頭在庫は尽きるでしょう。
それに流通は混乱しますから、新たな商品の入荷がなく棚がスッカラカン…などという状況になるのは想像に難くありません。
身近に大きな被害がないような状況であっても、最低でも一週間くらいは満足に食料・食材が手に入らないという事態が、高い確率で起きる予想されるのです。
また(B)では、ガス・水道・電気などのインフラ断絶により、平常時のような調理ができません。
この場合はカセット式ガスボンベのコンロ、調理器具、食器の工夫も必須です。
もちろんどこが震源になるかはわかりませんから、自分の住んでいる地域が被災の中心地になる可能性もあります。
しかし、確率的には「周辺の地域」として被災する可能性の方が高いのです。
このような地域で準備すべきは「非常食」よりも「日常食の備蓄」であることが、おわかり頂けたかと思います。

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