地震災害への備えゼロの人が、まず1日目にやるべきこと。(室内の危険箇所チェック他)

地震災害への備えゼロの人が、まず1日目にやるべきことを挙げます。
所要時間半日程度コースです。
きょう、2〜5時間が取れるなら即座に実行してください。

■ 家の中の危険箇所チェック

寝ている場所・出口を塞ぐ場所に、倒れてくる家具・家電はありませんか?
まず、最初にすべきこと。
それはズバリ、死なないために、家の中の危険箇所を排除することです。

なぜかと言えば、阪神淡路大震災が起きたのは早朝。
就寝中の方がそのまま亡くなってしまったケースが多かったからです。

1995 阪神淡路大震災 ポートアイランド周辺 地震後の家の中の様子 写真提供:神戸市

寝室をチェックしましょう。
寝ている所に倒れてくる可能性のある家具や落ちてくる電気製品はありませんか?
畳やフカフカ絨毯の部屋は家具の安定性が悪く危険です。
手で揺らして見た感じ、倒れそうになくても、地震を見くびってはいけません。
特に引き出し型の家具は、揺れで引き出しが引き出された時、一気に重心が手前に移動、簡単に倒れます。
寝ているときにその直撃を受けたら即死の可能性もあります。
死ななくても家具の下敷きになり動けない状態で家全体が倒壊したり火災になるなど、ひじょうにリスクが高いです。
ただちに、寝場所を移動するか、家具の移動などの対策をとりましょう。
それができない場合は、せめて倒れにくくする対策(←後述)をとりましょう。
古い木造2階建てにお住まいの場合は、可能であれば寝室を2階に移動しましょう。これも阪神淡路大震災の教訓です。

家具の倒壊は出口を塞ぐ場合もあります。
倒れた家具は一人で持ち上げられません。
ドアが開かなくなり、部屋から出られなくなったところで家屋倒壊、火災発生…そんな可能性も少なくはありません。
部屋からの脱出ルートも、ドア以外に窓など複数確保しておきましょう。

202年2月の地震で唯一亡くなられた方は、家財道具倒壊による圧死でした。

■ 火災時の逃げ場・逃げ道確認

都市部、特に首都圏で大地震が発生した場合、一番恐れられているのが火災。
あちこちで火の手が上がった場合、逃げ場を間違ったら火に囲まれてしまうでしょう。

火事が起きたときの避難先確認は、死なないための必須事項です。

火災が発生した場合は、大きな公園などが広域避難所となっているはずです。
逃げ道もいくつかのルートを確認しておきましょう。

広域避難所(横浜市のウェブサイトから)

首都直下地震が起きた場合、火災による大きな人的被害が予想されています。関東大震災では10万人が亡くなり、その死亡原因のトップは火災でした。
約100年前のことですが、首都圏の人口は当時より5倍近く増えているのです。
なにしろ、首都圏はほぼ全域が極端な住宅密集地域ですから。
▼この衛星写真から、大火に取り囲まれたときの逃げ場を想像してください。

東京都杉並区(Google Maps)

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都市に於ける防火帯は、幅100m必要とされています。つまり、学校の校庭くらいでは火に巻き込まれる可能性が高いと言えます。大きな公園などが地域の広域避難所に指定されていると思いますので、その場所も確認しておきましょう。

あちこちで火の手が上がってるな、なんて思っていたら、あっという間に火に取り囲まれてしまった、なんてことになりかねません。
風向きを想定した避難ルートを考えておきましょう。ルート上に倒壊が予想される建物がないか、道の広さなども要確認です。

住まい、職場、学校の災害リスク確認

地震はいつ起きるかわかりませんから、長時間滞在する場所で災害に遭う可能性が高いと言えます。
それぞれの地域・建物にどんな災害リスクがあるのか、
それによって、準備、用意すべきもの、避難場所が変わってきます。

3番目は『住まい、職場・学校の災害リスクを調べる(耐震性、津波・洪水、崩落・液状化、火災)』ですが、これはちょっと手間が掛かりますね。
住まいがマンションなどの場合、建てられた年代によって耐震基準が異なります。倒壊の可能性がどの程度あるのか調べておきましょう。

勤め先も同様です。学校の場合もまだ耐震補強工事が終わってないところもあるようです。
ビルの場合、フロアによって、間仕切りの壁が少ない場合がありますよね。阪神淡路大震災ではそういう階だけが潰れるケースがありました。
いわゆる「下駄履きビル」も、危険です。すぐに外に避難した方が良いでしょう。でも、飛び出さないように。

“ゲタ”の部分が押し潰されたケース。写真提供:神戸市

津波・洪水・崩落・液状化に関しては、市区役所のサイトにハザードマップが掲載されているはずですので、一度はチェックしておきましょう。それにより、避難計画や準備すべきものが変わってきます。
▼ハザードマップの例。

浦安市のウェブサイトから

地域特有のリスクとして特に注意すべきは、津波、土砂崩れ、火災です。
津波や崩落の可能性がある地域にお住まいの場合は、逃げ場所・集合場所を決めておきましょう。
火災は、どこでも起きる可能性がありますが、特に首都圏はほぼ全域が住宅密集地ですから、大規模な火災が発生した場合はかなり厄介です。

避難所など避難先の確認

最寄りの小中学校・公民館などが避難所になるケースが多いですが、その場所を確認しておきましょう。
自宅から近い数カ所をピックアップし、実際に歩いて行ってみることをおすすめします。

お住まいの市区町村のウェブサイトに情報が掲載されているはずです。
▼これは渋谷区のウェブサイトに掲載されている防災地図。

また、親戚宅や親しい友人宅に避難できる可能性がある場合は、それもチェックしておきましょう。

家族の集合場所・連絡方法の確認

ご家族など同居者がいる場合は、災害時の連絡方法・集合場所、無理に帰宅を急がないことなどを話し合っておきましょう。

住居が倒壊、余震で倒壊の可能性がある場合、とりあえずは避難所に避難することなると思いますが、どこの避難施設・広域避難所に行くか確認しておきましょう。家を空ける場合、行き先のメッセージはドアに貼るなどすると思いますが、その貼り場所も決めておきます。
広域避難所の場合、公園内の何処か、例えば噴水の前、時計台など待ち合わせ場所も決めておいたほうが良いですね。
親戚や親しい友人宅などに避難する可能性がある場合は、その場所・連絡先も互いに確認しておきましょう。

●災害時はココに注意 1:安否確認は音声通話よりテキストメールで。
地震発生時、家族それぞれが職場、学校、その途中、飲食店、行楽に出向いていたとしたら、まず安否確認をしたいですよね。
でも、地震発生直後は通話が集中、電話は掛かりにくくなります。携帯キャリア各社は、音声通話よりデータ通信を優先させるそうなので、携帯キャリア各社が提供する携帯メールの方が繋がりやすいはずです。
ウェブメール、LINE、SNSのチャット機能などもデータ通信ですが、シンプルな携帯メールが一番確実と思われます。ただ、災害時は何が起きるかわかりませんので、複数の連絡手段を想定しておいたほうが良いでしょう。

●災害時はココに注意 2:勤め先や学校が安全なら、無理に帰宅しない。
出先で被災した場合、すぐにでも自宅に戻りたいと思うでしょう。しかし、鉄道などは被災してなくても点検などで運休、バスも道路の陥没や建造物崩壊で動いてない可能性が高いです。動いていても、大混雑でパニックなど二次災害のリスクもあります。
歩いても2時間くらいだから徒歩で帰ろう、そんなふうに考える人も多いでしょうけど、途中がどんな状況かもわかりません。歩行中に余震で物が落ちてきたり、橋が崩壊する可能性もあります。
今いる場所が、とりあえず安全なら、無理に帰ろうとしないことが何より重要です。
しばらくその場で様子を見ましょう。気持ちも落ち着くと思います。

通勤・通学路の災害リスク、避難拠点確認

通勤通学ルートは、災害時は交通機関が不通になる可能性が高く、徒歩での帰宅が想定されます。
その場合のルートを確認しておきましょう。

できれば平常時に一度歩いて帰宅してみるのが良いですが、ネット上のマップで徒歩ルートを確認、危険と思われる箇所はStreet Viewなどで映像を確認しておくだけでも違いますね。
途中に、徒歩帰宅を支援してくれる施設などがあるかも確認しておきましょう。
東京都の場合は、都立高校やコンビニエンスストアが「災害時帰宅支援ステーション」として機能します。
こちらでご確認ください。

東京都防災マップ

ただし、発生直後は無理に帰宅しないことが原則です。

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お疲れ様でした。次は、以下のページをご覧ください。
2日目は、ライフライン対策を重点的に行います。