転倒防止器具が使えない場合、家具の転倒はこうやって防げ!

家具の転倒防止対策は課題山積

大地震に遭遇した際、家具の転倒が、大怪我や死亡の大きな原因になっていることは、これまで何度も指摘してきました。
それでも、家具の転倒対策を講じている人が未だ少ないのは、つっぱり器具は使えない、壁に穴は開けられないなど、「やりたくてもできない」という事情もあるのでしょう。

●まず、お馴染みの天井と家具の間を固定するつっぱり型の防止器具。
これは、天井の強度がじゅうぶんでないと効果が期待できません。下から押し上げてたわむような天井だと家具を支えられないでしょう。そんな簡単にたわむの?と思われるかも知れませんが、通常、天井は下から押し上げる力を想定していません。また、簡単に穴が開いてしまう天井板素材も少なくありません。
また、家具と天井の感覚が1メートル以上あるような場合、器具が届かないし、届いたとしても、転倒防止効果があまり期待できません。
それに、器具が目立ってしまいインテリア的にどうしても許せない、という人も多いでしょう。たしかに器具は機能優先で、デザイン的もカッコイイとは言い難いですからね。

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●金具やワイアーなどで、壁と家具を固定する方法。
これも、課題が多いのが実情でしょう。石膏ボードなどの壁材はネジを打ち込んでも簡単に崩れてしまいます。梁を狙ってネジ止めしようと思っても、ちょうど良い位置に梁があるとは限らないし、梁が金属だと簡単にネジや釘を打つことはできません。
それに何より、賃貸住宅の場合壁に穴を開けるのは許されないし、自宅だとしても壁に穴を開けるのは躊躇しますよね。
地震対策マニュアルに、よく「家具を金具で固定しましょう」と書かれていますが、「そんなの簡単に言われても無理だよ!」と思われている人は多そうですね。

いくら『命のほうが大事でしょ!』と言われたところで、この先起きるかどうかもわからない地震対策にそこまでできない、と思う気持ちも理解できます。
でも、そこで諦めてはいけません。とてもよい方法があるので、紹介したいと思います。

穴あけ不要、どんな家でも可能な『家具転倒防止策』

壁に穴を開けない、天井に負荷を掛けない、見た目もスッキリ…そんな家具の転倒防止対策。
そんなのあるのでしょうか。
『あるんです!』と声を大にして言います。
それは家具自体を倒れにくく改造するという方法です。
「なんだ、改造なんて簡単じゃないし、家具に傷付けるのは嫌だ!」…そんな声も聞こえてきそうではありますが、とっても簡単かつ低予算でできます。
命を守るため、せひともこのくらいのことはトライして頂きたく思います。

さて、その方法ですが、それは家具の底面にベニヤ板などの板を貼り付けるというものです。
図をご覧ください。
家具の底面より手前に10センチほどはみ出すように板をネジ止めします。これによって、家具が手前に倒れるリスクを大幅に緩和させることができます。
家具を傷つけることにはなりますが、ふだんは見えない底面ですし、ネジ止めなら外すことも可能です。
材料は板とネジとドライバーなどの100円ショップでも売っている工具だけ。全部合わせても1000円以内で可能と思います。
作業時間も、家具の中身を出したりする手間を除く正味の取り付け作業だけなら1時間以内で可能でしょう。
ベニヤ板の厚さは最低でも8ミリ、大きな家具なら12ミリは欲しいところです。

この作業によって、どのくらいリスクが減らせるのかを図で示します。
ご覧のように重心が移動しているので、倒れ始める角度が大きく変化しています。この図は、家具の重さが全体的に均一であると仮定してます。
手前に張り出す部分が長いほど倒れにくいですが、足を躓く危険性がありますので、15センチくらいがいいでしょう。それでも角は丸くするなどの加工を施すと、より安全です。
飛び出し部分をじゅうたんの下に入れてしまう、という手もあります。

家具の地震対策、他にもできること色々。

これ以外にも、簡単にできる家具の地震対策を紹介しておきたいと思います。

●扉の内側にプチプチ貼る
板戸でもガラス戸でも開き戸なら可能です。俗に「プチプチ」と呼ばれるエアパッキン(緩衝材)、これを扉の内側に張ります。これにより、中の食器類やガラス戸が割れるリスクを軽減することができます。
しかし、開き戸の場合は、扉自体が地震の揺れで開いてしまうので、以下の対策と併用してください。

●扉が開かないようロープを付ける
開き戸式の場合、振動によって中に入っているものが飛び出します。家具自体が倒れなくてもガラスや瀬戸物の食器が飛び出せばかなりの確率で割れるでしょう。
よって、飛び出すことを防ぐ対策も重要です。それは、扉を開きにくくすることですが、日頃に使い勝手を損ねても問題ですので限度はあるとは思います。
お勧めは図のように、金具を取り付ける、またはロープを張るというもの。家具を傷つけることになりますが、中の食器とどっちが重要か検討してください。

●下の方に重い物を収納する
家具の重心を可能な限り下げること。これも重要です。下の方で、なおかつ奥の方に入れるのが効果的です。キッチンの場合は粉物のストックなどが良いかと思います。
洋服ダンスの場合は、重いものと言ってもたかが知れてますから、いっそコンクリートブロックなんかを入れちゃうのも一考でしょう。

●家具固定金具の色々
色んなタイプの固定金具が市販されていますね。

MYST 家具固定金具 2セット

家側は鴨居などの頑強な木材部分と、家具をネジ止めして固定します。これが使えるケースは限定されるとは思いますが、確実な方法と言えます。
ベルトが振動によるショックを吸収する構造なんだそう。

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リンテック21 リンクストッパー 重量用

家電製品等対象物の上面や側面に接着固定し、地震による対象物の転倒と落下を防止する製品。主に底面に隙間がある対象物に有効。 本製品は、強力接着パッドにより簡単に取り付けできるので大掛かりな工事が不要で対象物を痛めません。
対象物のメンテナンス、清掃時にはコイン等を使い、ロックトップを外せば固定ベース付きベルトと独立型固定ベースを分離させる事ができます。

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サンワサプライ 耐震ストッパー

振動を吸収し、キャビネットなどの転倒を防止する耐震ストッパー。2個入り。
特殊素材ポリウレタンフォームが揺れをがっちり吸収。貼るだけの簡単設置。壁をキズつけない安全・安心設計。テレビ台の様に背面が開いていても使用可能。上部、側面どちらでも取付け可。(できるだけ上部に取付けてください)

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SOSOYOKI 耐震マット・プレミアム 超強力タイプ 耐震度7 クリア 12枚入り

家具や棚の上の家具・家電製品などの転落防止に絶大な効果が期待できます。

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デビカ 耐震 家具 転倒防止 たおれま ストッパー 幅100mm

クサビ形になっていて、家自体を少し壁側に倒れかけるようなバランスとなり、手前に倒れるリスクを軽減できます。
たんすや食器棚などの家具に設置することにより、滑り出しを防ぎ、転倒しにくくしてくれる耐震ストッパー。
表面はギザギザ加工で滑りにくい。
ネジや釘、両面テープなどを一切使わない仕様。

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ここまで紹介した方法と、伸縮棒・つっぱり棒などの転倒防止器具を併用できれば、なお良いでしょう。