災害時のトイレ対策と、すぐに用意すべきお勧めの備品。
「3日食べなくても我慢できたけど、トイレを3時間我慢するのはほんとうに辛かった」
被災者の切実な声です。
災害時のトイレ対策は、最重要課題と言っても言い過ぎではありません。
実際、どんなふうに困るのか。どんなものをどのくらい備えたらいいのか。
状況別に考えてみようと思います。
災害時のトイレの確保が重要な理由
大地震への備えで、真っ先に考えるのは水と食料の確保でしょう。
もちろんそれは重要です。しかし、「食べれば出る」ということを、見落としている人は意外に多いのではないでしょうか。
「トイレに困った」という話を耳にしていても、イザとなればそこらへんでしちゃってもいいし…。
なんとかなるのでは…とタカをくくってはいませんか?
しかし、東日本大震災のときも阪神淡路のときも、被災者アンケートを見ると、困ったこと・苦労したことの上位にトイレ問題があります。
大地震のとき、なぜトイレが使えなくなるのでしょうか。
都市部のトイレはほとんどが水洗式ですから、断水すれば水を流せません。
「大」の場合は最低でも4〜6リットルの水が必要です。
だけど、飲料水も不足する中でそんな量の水の確保、できませんよね。
仮に水が確保できたとしても、排水管や汚水処理施設が損傷した場合は、やはり流せません。
こうしたケースは特に集合住宅で多発しました。
また、水道が復旧しても、停電のままだったり汲み上げポンプが損傷しているため断水が続いた集合住宅も多かったようです。
地域にもよりますが、「1ヶ月以上トイレで苦労した」という体験談を多く目にします。
日本トイレ研究所の調査によれば、し尿処理場に仮復旧には、なんと平均5ヶ月掛かっています(東日本大震災で被災した29自治体から回答を得た)。
自治体のトイレ対策はどうなっているか
昨今は、学校や公園などの公共施設に、非常用トイレを設置している例を多く見るようになりました。
水がなくても下水に直接流せるトイレや、タンクに溜めておくタイプのトイレですね。
しかし、災害時非常用トイレは長蛇の列になるのは想像に難くありません。
特に、マンションの高層階ではトイレのたびに階段を昇り降りせねばならず、高齢者には辛いでしょう。
また、移動式の仮設トイレはすぐに許容量オーバーとなり、使えなくなってしまった例が震災時の避難所で多く見られました。
個人では、どのように備えればよいか
以下二項目は、在宅被災で下水は機能しているが上水道が止まってしまいっている場合です。
●じゅうぶんな水をタンクに保管しておく
もし設置場所があるなら、家庭用の水タンクを備えておくという手があります。
●風呂に水を貯めておく
家庭用の風呂桶はだいたい200リットル程度。風呂を使用したあと、湯を流さずに貯めておけば、3日分くらいのトイレ用の水を確保することは可能です。
上記2項について、詳しくは以下のページを御覧ください。
もちろん、水があればトイレが使えるとは限りません。
●庭に穴を掘る
一軒家で猫の額ほどでも庭がある場合は、土に穴を掘って何かで囲って…という方法も考えられるでしょう。
この方法が可能なお宅の場合は、穴掘り用のシャベルを用意しておくことをお勧めします。囲いについてはアウトドア用の着替え用テントが価格も安く(3,000円前後〜)保管場所もそれほど取らないのでお勧めです。
また、穴は危険ですから蓋になる板なども用意しておくと良いです。
組み立て簡単!安全ロープを引っ張って、テントポールを広げ、最後に固定のためのテントペグを取り付けます。
サイズは接地面120×120cm、高さ190cm、収納時サイズは57×12cm。
防水加工素材を使用しているので、シャワーテントにも。 災害時の着替え場所確保や、 簡易トイレの目隠しにも役立ちます。
大型の内蔵ジッパーで出入りもラクラク。
色はイエロー、グリーン、ブルーの3色。
写真クリックでAmazonのサイトにリンクします。
千吉(SENKICHI) ガーデンショベル パイプ柄 丸 805mm SPGS-1
とりあえず1本用意するなら、誰でも扱いやすいこのタイプがお勧め。
重さは約1キロです。
写真クリックでAmazonのサイトにリンクします。
●災害用トイレを準備しておく
言うまでもなく、一番堅実かつ確実な方法です。非常用に特化した災害用トイレを用意しておきましょう。
昨今は災害用トイレにも色んなタイプが登場、価格も以前に比べずいぶんとお手頃になりました。
一般家庭で用意できるものとしては、大きく分けて携帯トイレと簡易トイレがあります。
携帯トイレは、流せない洋式便器などに袋を設置して使用。便や尿は、吸水シートに吸わせたり粉末凝固剤で固めるタイプなどがあります。
多くはビニル袋と凝固剤や消臭剤がセットになっていて、価格は一回分当たり100〜150円程度が昨今の相場のようです。
簡易トイレは、ダンボール箱を組み立てるようなものから、電気を使うタイプまで色々あります。家庭で用意するならコンパクトに収納でき、ニオイ対策が万全なものがよいですね。
4人家族の場合、最低でも50回分は準備しておくべきです。
凝固剤に銀およびヤシ殻活性炭を配合。尿などの汚物に直接作用し、臭いや菌を抑制します。水が使えない状況でも、快適に用を足せる高性能な非常用トイレです。
凝固剤は1回分ずつアルミパックで密封されているので、開封しない限りそれぞれ長期(15年)の保存が可能です。
写真クリックでAmazonのサイトにリンクします。
アイリスオーヤマ 防災グッズ 簡易トイレ トイレ処理 セッ ト5回分
組み立て式なので保管場所を取らないダンボール製。凝固剤5回分がセットになっています。商品サイズは幅約30×奥行約33×高さ約40.5(センチ)
写真クリックでAmazonのサイトにリンクします。
●溜まった汚物はどうするか
汚物の処理も重要です。凝固剤などで固めた大便は、多くの自治体では燃えるゴミとして回収してもらえます。
しかし、災害時にゴミの回収が通常通りに行われるとは考え難く、かなりの量の汚物を生活空間に保管しておくことになります。
保管する場合に問題になるのは臭いと衛生管理です。置き場所は、バルコニーなどにフタ付きのポリバケツなどを置けると良いでしょう。
場所を取らない角型のゴミ箱。
帯電防止加工で静電気を抑え、チリやホコリの付着を防止します。角型ペールにはフタと本体をしっかりと固定するバックルが付いているので、万が一倒れても中のゴミが散乱しません。
写真クリックでAmazonのサイトにリンクします。
ゴミバケツが用意できない場合は、厚手のゴミ袋を何枚も重ねるなどして袋の口をしっかり閉じます。このとき注意したいのは、汚物からガスが発生して袋が破裂する場合があるということです。ガスには引火する場合もあるので注意が必要です。
●備品も忘れずに
また、当然ではありますがトイレットペーパーもかなり多めに備蓄しておくことを忘れずに。
それと排泄後の手洗いができないですから、ウェットティッシュもトイレ専用にじゅうぶん備蓄しておきましょう。
また、スプレー式のアルコール消毒液も、とても有効です。
災害時に、不衛生な手から食中毒を起こし「下痢が止まらない!」なんてことになったら、それこそ悲劇ですから。
除菌スプレー パストリーゼ77 スプレーヘッド付 500ml
アルコール77%の非常に強力な除菌力と、酒造会社ならではの純水使用で極めて純水度が高い除菌スプレー。
ウィルス対策、調理に使用する器具や食器、防臭にも抜群の効果を発揮。
緑茶抽出物(カキテン)配合で除菌効果も長時間持続。
酒造会社ならではの遺伝子組み換えを行っていないサトウキビ原料由来の醸造用アルコールを使用し、緑茶から抽出した高純度カテキンを配合で除菌効果も長時間持続。
写真クリックでAmazonのサイトにリンクします。
●注意!水分を控えるのは、とても危険
災害時、トイレに行けないからと水分摂取を控える人が多いそうです。
しかし、これはエコノミー症候群のリスクを高め非常に危険です。
そうした観点からも、トイレ対策は必至と言えるかと思います。