非常食は自分で備蓄すべし!行政も民間支援も頼れない理由とは?

都道府県・市区町村の備蓄食糧は誰のため?

よく、テレビニュースなどでも目にすることと思いますが、行政機関には災害時に備え大量の食糧が備蓄されています。
被災したときは、このような備蓄食糧の配給を受けることができると思っていませんか?
それらはもちろん、国民のために備蓄されているものですが、その配布対象は主に避難所に避難してきた人たちです。家が持ち堪えた人、つまり在宅被災者は配給の対象になってはいません
実際に被災してみないとなかなか実感がないかも知れませんが、大震災時、被災者の大半は在宅被災なのです。テレビニュースなどでは、避難所の様子は伝えても、在宅被災した人が画面に出てくることはほとんどありませんよね。だからイメージしにくいのかも知れませんが。
在宅被災者は行政の備蓄食料をまったく受け取れないかといえば、それは地域ごとの考え方にもよるとは思いますが、どこも基本は避難所優先です。運良く受け取れたとしても1〜2日分と考え、自分で備えましょう。

自治体の備蓄は避難者に対し概ね2日分程度(写真は、はるた学渋谷区議のTwitterより)

特に首都圏の場合は大問題となる

特に首都圏が被災した場合は、地方都市の被災と大きく異なる事情があります。
それは、想定される被災者の人数が桁違いであるということ。首都直下型地震では数百万人の避難者が出るという試算もあります。そして在宅被災者はその数倍でしょう。
ちなみに熊本地震の場合、避難者は約18万人でした。
被災者が多いということは、相対的に支援者は少なくなります。
特に日本の場合は極端な一極集中です。首都圏に3000万人以上が暮らしていますから、それらの人々が、程度の差はあるものの、皆被災者になる可能性があります。
集中しているのは人だけではありません。
大企業の本社、政府や官庁なども東京に集中していますから、指揮系統が機能せず統制が取れなくなり、流通やライフラインなどあらゆる都市機能がマヒすると考えられます。
このことから、もし首都圏が甚大な被害に見舞われた場合、周辺からの支援は限定的と考えるべきでしょう。
首都圏が被災した場合、首都圏だけでなく日本中が機能不全に陥る可能性があるのです。
「大規模災害に備える」という意味でも、一極集中の是正がずっと言われてきましたが、なんら改善されていない現状は、ご存知の通りです。
改善どころかこの20年間をみても、日本全体の人口は減少傾向にあるのに東京の人口は増え続けているのです。
繰り返します。だから、自衛するしかありません

首都圏は、約100年前の関東大震災以降、広域に被害をもたらす大地震に見舞われていません。
首都圏を襲う大地震を想定して色々対策は立てられているものの、実際起きてみないとわからない部分がたくさんあるように思います。
少なくとも、これだけは言えます。
これまで首都圏以外で起きた震災とは何から何まで桁違いとなるだろう、と。

ボランティアの炊き出しや支援物資が届く?

この数年以内に起きた大地震の報道を思い出してください。
避難所には自衛隊やボランティアが来てくれてオニギリやカレーを作ってくれたり、全国から支援物資が続々と届く様子がニュースで伝えられていましたね。
そのような映像を見ていると、自分の暮らしている地域で大きな地震が起きた場合も、同様な支援が受けられると期待してしまうかも知れません。
ですが、それはとんでもない誤解だと認識していたほうが良いでしょう。
そもそも、テレビ局が取材に来るような避難所はごく限られた一部であり、そうした避難所には支援も集まりやすいという実情がありました。
支援物資がだぶついていた避難所があった一方、人的支援も食糧支援もまったく足りていなかった避難所も多かったのです。
また、避難所に届いた支援物資は在宅被災者には分けてもらえなかった、という報告も多数あります。

最低でも一週間分の食料は自前で備蓄する

特に食料は重要です。最低でも家族の一週間分は自ら備蓄すべきです。特に、「在宅被災者」になった場合を想定して欲しいと思います。
被災の中心地でなくても、流通も大きな被害を受けますから、食料品店での購入もしばらくは無理でしょう。

東京都も『東京防災』で、自宅の備えを求めています

東日本大震災のとき、それほど大きな被害を受けなかった都内でも、店の棚から食料品が消えていたことを忘れないでください。
繰り返しますが、最低でも家族一週間分の水と食糧の備蓄。できれば二週間分。これは絶対です。