災害時の暖房手段として石油ストーブを用意しておきたいが、問題は灯油の保存。
災害時には頼りになるが、
燃料の長期保存がネック。
灯油を使う石油ストーブは、熱量が大きく持ち運びも簡単、災害時にいちばん頼りになる暖房手段と言えます。
日頃から石油ストーブを使用しているご家庭は、常に20リットル以上の灯油が備蓄されるように備えておきましょう。と言っても、暖かくなる頃には残したくないですよね。シーズン中に使い切る、そこが灯油のちょっと難しいところです。
日頃、石油ストーブを使用していない家庭で「被災時用に石油ストーブを用意しておこう」と考える人も多いでしょう。しかし問題は、灯油を家庭で保管するのが難しい点です。家庭用ポリタンクで1年以上保管した灯油はかなり劣化していて危険です。
長期保存できる缶入りの灯油もありますが、かなり割高(普通に買う場合の10倍位)です。
古い灯油を使うとどうなる?
結論だけ言うなら絶対ダメ!
国民生活センターが、古い灯油を使用した場合どうなるか、実験を行っています。
まず、それほど古くなくても、保存容器に寄っては短期間に劣化することを覚えておいてください。
水などを想定した白いポリ容器は絶対にダメです。紫外線を通すため半月程度で変質してしまうそうです。保管は必ず灯油用のポリ容器を使用してください。
次に、変質した灯油を使用するとどうなるか。
実験では、ストーブの芯にタールが付着し、着火できなくなる可能性があるばかりか、自動消火装置が作動しなくなる場合もありました。
異臭や、さらには不完全燃焼の可能性もあるでしょう。
災害時に二次災害を発生させてしまうことは絶対に避けなければなりません。
災害時のために用意する
石油ストーブの条件は
そこで「災害時のために、日頃から一部屋だけは暖房を石油ストーブで行う」という考え方はアリかと思います。
災害時の使用を想定して石油ストーブを選ぶ場合の留意点を以下にあげておきます。
1.ファンヒーターのような、AC電源も必要とするタイプは避ける。言うまでもないですね、災害時は停電の可能性もありますから。
2.天板にやかんや鍋が置けるタイプを選ぶ。昨今、危険回避でやかんなどを乗せられないタイプもあります。乗せられても加熱しないものもあります。しかし災害時は、そこで湯を沸かしたり調理できる方が便利に決まってますね。
3.電池が無くてもマッチで着火できる機種を選ぶ。電池をうっかり切らしてしまう場合もあるでしょうから。
4.安全対策の施されている機種を選ぶ。今売られているものには不完全燃焼防止装置や耐震自動消火装置などが装備されているはずですが、古い型には無い場合もあります。災害時の使用では大き余震の可能性や、条件の悪い空間での使用も考えれますから、安全性は最優先です。