地震災害時、都市ガスの供給はどうなる?復旧の目処は?
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都市ガスは、地震による供給設備損傷の可能性が高く、
復旧には土木工事で長期間を要す場合も。
首都圏始め都市部では、都市ガスを引いている家庭が多いことと思います。
都市ガスはプロパンガスに比べ割安で、ボンベの交換なども必要なく便利ではありますが、災害時に供給が途絶えてしまう可能性は、供給源が身近なプロパンガスより高いと言えます。
ガス供給基地が大きな被害を受けた場合は、復旧にかなりの時間が掛かるでしょう。
供給基地の多くは海岸沿いにあるため、津波による被害を受けやすい事情もあります。
ガス管は主に道路に下に埋まっていますから、それが損傷した場合は復旧に土木工事が必要となり、街全体が地震で大きな被害を受けた状況下では、こちらもかなりの時間が掛かると予想されます。
2011年の東日本大震災では46万戸の都市ガス供給が停止に至りました。
1995年1月17日の阪神淡路大震災時、大阪ガスの完全復旧は4月11日までずれ込みました。実に80日以上です。
また、損傷した配管からのガス漏れによる火災や爆発事故、ガス中毒事故等の発生を防ぐため、安全のため一度停止した供給を安易に再開できない事情もあります。
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震度5以上の地震では、ガスメーターの
安全装置が働きガスの供給が自動停止。
大きな地震が収まって、ガスを点火しようと思ったら、火がつかない。
そんな経験はありませんか。ほとんどの場合は、安全装置が働いたものと思われます。
都市ガスは、大きな地震(震度5以上)の時、各世帯に設置されたガスメーターの安全装置が働き、ガスの供給が停止します。安全装置の解除(ガスの供給を開始すること)は、ご自身で簡単に行えます。
ガス器具の安全を確認した上で復帰作業を行ってください。
実際の災害に合う前に、ご自宅のガスメーターを確認しておくことを強くお勧めします。
以下は東京ガスの場合です。メーターの種類別に詳しく復帰方法が示されています。他の都市ガスもほぼ同様の手順となっていますが、ご利用の都市ガス会社のサイトで確認してください。
↪東京ガス「ガスメーターの復帰方法」
ガスが止まると、食事が作れない、風呂に入れない、暖房できない。
その事態にどう備えたら良いか。
オール電化住宅でなければ、ガスは生活に欠かせないインフラ、まさにライフラインです。
ガス供給が停止した生活を想像してみましょう。
イメージできなければ、実際に丸一日ガスの元栓を止めて生活してみるのも良いかと思います。
キッチンのガスコンロしか無い場合は、火を使った調理はおろか、お湯を沸かすこともできませんね。
当然、用意すべきはカセットガスコンロか電熱コンロということになりますが、災害時は停電の可能性も高いですから、カセットガスコンロは必需品と考えてください。
風呂は、入らなくても死にはしませんが、何日もシャワーすら浴びられないのは辛いものです。
せめて、体をふくための、大きめで水濡れに強いタイプのペーパータオルを非常用品としてストックしておきましょう。
災害時には、速乾性で吸水力も高いタイプのタオルも便利です。
暖房手段がガスだけの場合、電気や石油などをエネルギー源とする暖房手段も考えておきましょう。
非常時のために、プロパンガスボンベと専用コンロやストーブを
常備しておく、という手段もある。
プロパンガスは、災害に強いエネルギーと言えます。
そこで、都市ガスの家庭でも日頃からプロパンガスボンベも設置し、切り替えて使えるようにしたら安心ですよね。
残念ながら、コンロなどのガス器具はそれぞれに専用となっているので、それはできません。
でも、ボンベとともに専用のガスストーブと一口ガスコンロも用意しておく、という手はありますね。
事実、公共施設などではそのような対策を講じているケースが数多くあります。
しかし、市中のプロパンガス供給業者は、日常的にプロパンガスが使われることを前提に、ボンベに充填したプロパンガスを供給しています。
中には災害時を想定し長期間使用しない場合にも対応してくれるところもあるようです。近隣のプロパンガス供給会社に問い合わせてみてください。
もし、近くにそのような業者が無い場合、ボンベを自分で購入してプロパンガス会社に持ち込んでガスを充填してもらうという方法もあります。ただしこれも、持ち込みのボンベへの供給は行っていない所もあるようですので、事前に問い合わせてみたほうが良いでしょう。
ところで、プロパンガスは長期保存しても大丈夫なんでしょうか。
一般的に、保管状態に問題がなければ20年は大丈夫と言われています。
ボンベにも寿命があり、雨に当たらない場所に置くなどの配慮が必要でしょう。
灯油の寿命は数ヶ月ですから、災害時のための備蓄としては圧倒的にプロパンガスの方が優れていると言えます。