菓子・スナック類(嗜好品)も、災害用備蓄食に絶対入れるべき理由とは?

菓子・スナック類の、災害用備蓄食糧としての必要性、可能性を“マジメに”考えてみたいと思います。

チョコレートは非常に優秀な健康食品

近年、チョコレートの健康効果が注目されています。
チョコレートの効能を書き出したらこのページがそれだけで埋まってしまいますので、ひとつだけ。
カカオに含まれるポリフェノールは、活性酸素を抑える働きがあることがわかっています。その効能は多岐にわたり、中でも心疾患リスクの低減は、災害時の健康維持にも役立つことは間違いないでしょう。

こちらは、健康効果を期待してチョコレートを求める人たちの間では人気商品となっています。超濃厚で甘さはかなり控えめ。カカオ72%、1Kgの大容量。
カカオ86%、95%もありますが、かなりビターなので食べられない人もいるでしょう。なので、非常食として備えるのであれば75%がお勧めです。
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ただし、保存食としては大きな問題があります。純粋なチョコレートのみの場合は比較的長期保存可能なのですが、ご存知のように暑さに弱い。28度が上限とされていますが、気温=室温ではないので、そこは注意してください。夏場は冷蔵庫で保存されると思いますが、チョコレートは匂いを吸収しやすいので必ず密閉容器に入れてください。
砂糖でコーティング(マーブルチョコのような)されたタイプは溶けにくくて良いのですが、残念ながらカカオ純度の高い製品が見当たりません。

でも、多少溶けにくい製品はあります。表面をセラックコーティングしてあります。具体的に何度まで耐えられるかは不明ですが、何もしてない製品との比較では明らかな違いが見られるようです。
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ちなみに、保存食として開発されたこんな製品もあります。
生チョコ食感のようかんだそうで、3年保存できます。
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ナッツ類は不足しがちな栄養素を補える

ナッツは不足しがちな栄養素の宝庫です。
アーモンドは、抗酸化作用のあるビタミンEが豊富。くるみには動脈硬化を予防するオメガ3脂肪酸がナッツの中でいちばん多く含まれています。カシューナッツは、亜鉛、鉄などのミネラル、オレイン酸が含まれています。ピスタチオは塩分を排出する作用のあるカリウムが豊富なので、塩分過多になりがちな防災食のお供に最適。マカデミアナッツには肌荒れに効果のあるパルミトレイン酸がナッツ類の中で唯一含まれ、ヘーゼルナッツにはオレイン酸が豊富です。
缶入りのミックスナッツを用意しておきましょう。

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せんべいはそもそも保存食だった

そもそも、せんべいは旅人のための保存食として日本全国に広まった経緯があります。原料は米ですし、加熱せずそのまま食べられるし、食器不要だし、災害用備蓄食としても最適な食品と言えるでしょう。
シンプルな塩せんべい、醤油せんべいは、そうそう痛むものではありませんが、湿気には注意が必要です。通常の包装は長期保存を想定していないので未開封であっても、1年もすれば湿気ってしまいますね。
未開封の状態で、乾燥剤などとともに、さらに厚めの保存袋に入れるなどすれば長期保存できますが、それでも2年くらいでしょう。ですので6ヶ月〜1年くらいの期間でのローリングストックがお勧めです。
非常食として長期保存できる製品もありますが、やはり割高になりますね。

長期保存用に密閉された缶詰タイプの製品もあります。
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ガム、キャンディーも災害時には有効

咀嚼(噛むこと)は心臓の鼓動とリンクし、ゆっくりかむことにより心拍数を低下、落ち着いて物事を判断できるようになる効果が期待できます。野球選手がガムを噛む姿を特にメジャーリーグのテレビ中継でよく目にしますが、それはそんな理由からなのです。
ガムを噛むことによるリラックス効果は、科学的にも証明されています。
リフレッシュ効果はクールミント味などが良いと思いますが、そうでないガムでも諸々の効果は期待できます。
また、顎を動かすことは脳に刺激を与えます。それによって物事に集中できる効果もあるそうです。
災害時のストレス軽減に、ガムのそんな効果を利用しない手はありませんね。

また、災害時には歯磨きをじゅうぶんに行えない事態も予想されますが、そんなときにもガムは有効です。
砂糖を使用していないキシリトールガムを用意しておくと良いでしょう。

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ガムと同様に、キャンディ(飴玉、ドロップなど)も、リラックス効果などが期待できます。
のど飴など、色々な薬効成分を付加したキャンディもあり、不足しがちな栄養素を摂取できるタイプが特にお勧めです。

嗜好品がもたらすリラックス効果

とかく、健康に悪いと攻撃の対象になりがちな、ポテトチップスやクッキー・ビスケット(炭水化物)類。
でも、それが大好物なら我慢する必要はありません。遠慮なく災害用保存食にリストアップしましょう。
言うまでもなく、好物を食べればちょっとした幸福感が得られますよね。災害時にとても重要なことです。
でも、もちろん食べ過ぎには注意ですね。
ポテトチップスは、袋入りより成型された箱入り(チップスター等)のほうがコンパクトで保存性・保管には向いています。
パッケージごと大きめのジップロックなどに入れて保管しましょう。

どこでも売ってるようなものですが。
まとめ買いだと通販サイトも良いかも知れません。

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甘いもの、塩っぱいものを体が求めるのは自然なこと

平常時の生活に於いても、食事とは別におやつとして甘いもの、塩っぱいもの、つまり菓子・スナック類を欲しますよね。
つまり、それは食欲とは別の欲求です。
特に甘いものには、幸福感や癒やしをもたらす効果があります。もう少し詳しく言うと、ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンなどの脳内神経伝達物質の分泌を促してくれるのです。
なので、適度に摂取することは、特に災害時のような非日常状態に於いてはとても有効と言えます。
もちろん摂り過ぎはよくないし、災害時のようなストレス禍では依存症になってしまうリスクも高まりますので、注意が必要です。

菓子・スナック類を積極的に取り入れよう

ここまで読まれた方なら、もう何も迷うことはありませんよね。
菓子・スナック類を躊躇することなく、災害用保存食に仲間入りさせてください。
ただし、数年におよぶ長期保存はできませんので、ローリングストックが前提となります。

wikiには、嗜好品の特質として、
栄養・エネルギー源を期待しない。
病気治療を期待しない。
生命維持に強い効果はない。
ないと寂しい。
食べると精神にいい効果がある。
人の出会い意思疎通を円滑にする。

などと書かれています。
そんなモノが災害時には重要なんですよね。