近隣のブロック塀を調べてみたら恐ろしい結果に。(ブロック塀問題-3:小学校周辺の現状調査)
都内でも危険なブロック塀は放置状態
ためしに、私たちの事務所から近い小学校周辺のブロック塀がどうなっているのかを調査してみたら、極めて憂慮すべき結果となりました。
ここは都内の某ターミナル駅から徒歩圏内、つまり都心と言っても差し支えない住宅地です。超高級マンションも立ち並び、芸能人なども多く住むエリアでもあります。
(調査は、2016年11月20日。2020年5月現在すでに建物撤去などに伴いブロック塀も撤去されている箇所もあります。)
調査したのは、保育園や小学校の周辺わずか200m程度の範囲ですが、明らかに危険と思われるブロック塀が5箇所以上見つかりました。
《A》この場所は小学校正門の真正面です。高さは約160cmと、それほど高くはありませんが、ご覧のように崩壊しかけています。
石を積んだ塀の上にブロックを積み上げているのも気になります。この構造だと土台から鉄骨を通している可能性は低そうです。
《A》クローズアップ。この壊れ方はかなり気になります。建造されてから、ゆうに30年以上は経過していると思われます。
《A》塀はL字型に造られていますので、こちらは小学校正門の真向かいとなります。多少手前に傾いているように見えるのは気のせいでしょうか。
《B》こちらの塀は、壊れている箇所などは見当たりませんが、高さが最大2m60cmくらいありそうです。建築基準法では高さ2.2m以下と決められています。高さが高ければ、崩壊リスクも当然高くなりますね。
《C》施工がかなりガサツでモルタルがはみ出したりしていますので、ちゃんとしたプロの仕事なのか、疑問が残ります。
《C》角の部分に隙間が開いています。当然、強度は大幅に落ちるでしょう。
《D》高さは2mくらいあります。一件そんなに傷んでるようには見えませんが、20年以上は経過しているものと思われます。
長い塀ですので控え壁が必須ですが、中を覗くわけに行かないので確認できていません。
《D》側面は修繕した跡も見られるものの、穴が空いているので、全体的にかなり劣化していると思われます。
《E》これはブロック塀ではありませんが、保育園出入口の真正面です。かなり古い万年塀ですね。送迎時、保育園児がこの前で遊ぶ姿が頻繁に見られます。
(2021年現在、新しい建物が建ったため撤去されています)
《F》かなり高い位置にブロック塀が設置されています。道路から5mくらいあるでしょうか。かなり古そうです。
(2021年現在、新しい建物が建ったため撤去されています)
《F》さらに気になるのは、化粧ブロックが連続して並んでいることです。化粧ブロックは鉄筋が通せないし、接合部分にモルタルを充填できません。強度が心配です。
(2021年現在、新しい建物が建ったため撤去されています)
《F》角の部分が繋がっていないのも気になります。ただ、塀の内側には控え壁が作られているようです。
(2021年現在、新しい建物が建ったため撤去されています)
《※》これは地図には含まれない場所(廃業した銭湯)ですが、上記の場所から300m程度の距離にあります。明らかに壊れ掛けた違法に高いブロック塀が、10年くらい前から放置されています。ここも通学に使われている道です。
(2021年現在、新しい建物が建ったため撤去されています)
いかがでしょう? 30年以上前の宮城県沖地震の教訓が活かされているとは、まったく言えませんよね。
コンクリートブロック1個の重さは7〜15キロ程度。高い塀が倒れれば、1トン以上の重量に加速度も加わります。まともに下敷きになれば、ひとたまりもないでしょう。
ましてや、ここは小さな子供たちが毎日通る場所ですから、早急な対策を願って止みません。
つづく↓